健康食品・サプリメントの大きな落とし穴に注意

「健康食品・サプリメント」最近良く耳にする言葉ですが、健康ブームの影響もあり、その市場は2000年で年1.3兆円に達し、更に増え続けています。背景として、疾病予防への関心の高まりや、日本人の食生活の変化・医療制度上の変化(セルフメディケーション・代替医療)などが考えられます。 それと同時に大きな落とし穴があるということも認識しなければなりません。

独立行政法人国立健康・栄養研究所によると、「健康食品(サプリメント)は実際に効果(健康の保持増進)を国が確認したものではない」ということです。つまり、健康食品の中には効果があるかどうか確認出来ないものがあり、内容物も標記通りに含まれているかどうか、わからないものが現状です。

もちろん、信頼性・安全性に高い健康食品もありますが、実際に起きた健康食品のトラブルを紹介しますと、最近話題になっている若返りのサプリメント「コエンザエムQ10(CoQ10)」の製品の中に、含有量30mgと表示のところ約0.2mgしか含まれておらず、代わりに未承認無許可医薬品のイデベノン(脳代謝・精神症状改善剤とされていたが、平成10年承認が取り消された医療用医薬品の成分)が59・2mg含有されていたという事例があります。

このCoQ10とは、医療用医薬品のユビデカレノン(商品名ノイキノン)と同成分で、軽度及び中等度のうっ血性心不全に使用されています。実際治療でこの薬を服用している方は、CoQ10は飲まないでください。また、血圧が25.9mmHg低下したとの報告があり、血圧のお薬と一緒に飲むのは注意が必要です。

CoQ10は一日30mg〜100mg服用が使用量の目安なのに対して、サプリメントの中には一日240mg〜400mg服用と標記されているものもあります。現段階ではその利益や有害性を判断できるだけの十分な臨床証拠もありませんが、過剰に服用するのは避けたほうが良いでしょう。

中国から個人輸入した未承認の健康食品は、特に注意が必要です。血糖値が下がるといったキャッチフレーズの未承認中国製医薬品を個人輸入し服用した経度糖尿病の男性が、服用後低血糖昏睡・半植物状態になり後に死亡。事件後、国民生活センターの分析で「純天然薬」と標記されていたにも関わらず、グリベンクラミド(医療用医薬品・血糖降下剤、商品名オイグルコン・ダオニール)が多量に含まれていたことがわかりました。これと同じ血糖降下剤が含まれた健康食品を販売していた事例は国内にもあります。

その他にも中国製ダイエット用健康食品において、肝機能障害(250例以上)、甲状腺障害(140例)、死亡(3例)が報告されています。もちろん、中国の薬(漢方など)が全て危険なわけではなく、医薬品として販売されているものは、安全性が確立されていますので安心してください。

ビタミン剤の過剰摂取にも注意してください。特にビタミンA・D・E・Kは脂溶性ビタミンと呼ばれていて、尿中に排出されず体に蓄積されるため、一日の許容量が決められています。むやみに何種類ものビタミンサプリメントを服用するとビタミンAやDが過剰摂取となり、かえって体に悪影響を及ぼす可能性があります。

健康食品(サプリメント)は「日常生活の中で不足した栄養素を補い、健康を維持することが目的」を理解し服用するべきと思われます。特に医療用医薬品を服用している方は、健康食品との飲み合わせにより、思わぬ健康被害が発生する場合がありますので、かかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしてください。